ライフ イズ ストレンジ トゥルーカラーズをレビュー:心を読む超能力を持った主人公が田舎町に潜む陰謀に迫るアドベンチャー

レビュー

こんにちは、ちくわぶです。

人気のアドベンチャーゲーム、ライフ イズ ストレンジシリーズの第3作目の作品、「ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ」をプレイした感想とゲーム内容について解説したいと思います。

前提

まず前提として、筆者のプレイ環境・状況は下記になります。

プラットフォームPlayStation4
プレイ時間18時間
プレイ状況本編クリア済み(トロフィーコンプ済み)
購入価格6,730円

筆者はライフ イズ ストレンジシリーズは1のみプレイ済みです。

対応プラットフォームはPlayStation4以外にPC、Nitendo Switch、PlayStation5がありますが、以下の理由でPlayStation4版を選びました。

  • フリマで売りたかったのでパッケージ版が良かった
  • PlayStation5が買えない
  • グラフィックが美しいという評判だったので、他に比べてグラフィックが劣るNintendo Switch版は除外

世間の評価

メタクリティックでの評価は以下の通りでした。

メタスコアユーザースコア
PlayStation5816.7
PlayStation4837.0
PC816.7
Nintendo Switch787.1

メディアの評価は上々なものの、ユーザーの評価とは若干乖離がある感じとなっています。

ネガティブな意見としては、

  • 物語が退屈
  • ボリュームが少ない

という声が多く見られました。

概要

冒頭のストーリー

8年間過ごした養護施設を出て兄と暮らすことになった主人公のアレックス。

何やら兄には伝えたくない問題を抱えてる模様。

ゲームは施設の先生との会話シーンから始まる。どこかよそよそしい表情のアレックス。先生との関係は良好とは言えないようだ。

兄の住むヘイブン・スプリングスに到着したアレックス。

そこで兄のゲイブとの再会を果たす。

ゲイブとの会話のさなか、ゲイブから青色のオーラが出現すると共に、彼の心の声が聞こえてきた。

アレックスは相手の感情をオーラとして視認することが出来、そのときの心の声を聴くことが出来るのだ。

この能力が原因で施設では良好な人間関係を築くことが出来なかったため、兄との関係も崩れてしまうのではないかという不安から、兄には知られたくないのだった。

相手がどういう感情なのかはオーラの色で判断出来る。

ゲイブにヘイブン・スプリングスを案内され、様々な住人への挨拶を済ませるアレックス。

そして、アレックスのためにゲイブが用意してくれた新居に通される。

8年ぶりに家族水入らずの時間を過ごす二人。

エアギターとエアドラムでノリノリの兄妹。仲が良さそうで微笑ましい。

そこに水を差す来客が現れる。

彼の名前はマック、ヘイブン・スプリングの住人で花屋のライリーとは恋仲にある。

ライリーに対してゲイブがちょっかいを出していると誤解し、事情を問い詰めに押しかけてきたのだった。

ゲイブは彼をなだめようとするが、マックの怒りは爆発、アレックスは彼の怒りの感情に飲み込まれてしまう。

相手の感情が強すぎると放たれるオーラも凄まじいことに。

怒りに飲み込まれたアレックスは暴走、マックに右フックを浴びせ、さらにマウントポジションを取って殴り続ける。

さらには、止めに入ったゲイブをも殴ってしまうという暴走っぷり。

MMAファイター顔向けの畳みかけを見せるアレックス。強すぎて笑ってしまった。。。

アレックスの豹変ぶりにマックからは危険人物扱いされ、ゲイブもさすがに動揺しているようだ。

ただ、周囲にはゲイブとマックが喧嘩した程度にしか思われておらず、アレックスの悪評にはなっていないのは幸いだった。

ケガの治療が終わったゲイブに呼び出され、実の兄からも拒絶されてしまうのではないかという不安を抱きながら付いていくアレックス。

彼女の不安とは裏腹にアレックスのこれまでの苦労を察し同情するゲイブに安心し、アレックスは自身の能力について打ち明ける。

ゲイブは能力のことをすんなり受け入れ、アレックスの力になることを誓う。

思いやりの塊のゲイブ。ユーモアもあり、村の人たちからも慕われてる理由がよく分かる。

今後の生活に希望が見えたアレックスとゲイブ、そんな二人に悪い知らせが届く。

ゲイブと彼女、シャーロットの一人息子のイーサンの行方が分からないという。

イーサンの行方に心当たりのあるアレックスは、ゲイブ、レンジャーのライアンと共に鉱山に向かうことに。

鉱山では今夜、地元の有力企業のタイフォンが採掘のために爆破を予定しているのだった。

どんなゲーム?

  • 三人称視点の3Dアドベンチャー、アクション要素はほぼ無し
  • 主人公のアレックスが相手の感情を読み取る特殊能力を用いて住民の悩みを解決したり、町に潜む陰謀に迫っていく
  • 選択肢に応じて話が大きく変わることはないが、終盤での人々のアレックスに対する反応に影響する

特徴

感情を読み取る特殊能力を活かした仕掛け

主人公のアレックスには、相手の感情を読み取る特殊能力があります。

オーラによって相手の感情を視認することが出来、さらには相手の心の声までも聞くことが出来ます。

また、それは人だけではなく、強い思念が宿ったアイテムからも同様に、込められた感情のオーラと思い出を読み取ることが出来ます。

悲しみにふけるステフ。彼女をカウンセリングするためのヒントは思い出のアイテムから探ることが出来る。

これらの能力を活用する仕掛けがシナリオ本編は勿論、モブキャラとの会話にも多数用意されています。

両想いなのに互いに本心を隠しているために煮え切らない二人。上辺と本心の両面が見られるので、そのギャップが面白い。

随所で迫られる決断

本編では随所で大小さまざまな決断に迫られます。

大きな決断でも、選択肢によって話が大きく変わることはないですが、終盤で人々のアレックスに対する反応に影響します。

重要な選択をする画面では、シリーズではお馴染みのいかにもな演出が施され、プレイヤーの選択の迷いを加速させる。。。

チャプター終了時に世界のプレイヤーがどういう選択をしたのか割合で閲覧することが出来るので、自分の選んだ選択と比較する楽しみもあります。

大きな決断から小さな決断まで、世界のプレイヤーの選択を確認出来る。自分が少数派だったときの意外性が面白い。

質の高いキャラクター表現

グラフィックやフェイシャルアニメーションの進化により、過去作に比べキャラクターの表情がより豊かに表現されています。

筆者は日本語吹き替えでプレイしましたが、声優さんの演技も素晴らしいです。

冒頭の施設での会話シーン。アレックスのよそよそしさが細かな表情の変化で表現されている。

センスの光る演出

エモーショナルな風景とそれを演出するBGMのセンスの良さは健在で、これぞライフ イズ ストレンジという世界観が今作でも描かれています。

随所に音楽をバックに風景を眺められるスポットが用意されており、ついつい感傷に浸ってしまう。

また、アレックスの特殊能力を活かした演出だったり、街を挙げて行うLRAP(RPGを現実世界で実際に役になりきって行おうと言うもの)イベントなど、あっと驚く演出が素晴らしいです。

LARPでの一幕。見慣れた人たちの仮装姿や、見慣れた風景に施された装飾に胸躍ります。そしてRPG好きにはニヤリな演出も!?

フレーバーテキストが豊富

ライフ イズ ストレンジシリーズと言えば、豊富なフレーバーテキストが特徴ですが、今作でも健在です。

マップ上に調べられるオブジェクトが多数配置されていて、調べるたびにアレックスがコメントしてくれます。

それ以外にも、前作からあった手帳・メールに加えてSNSも用意されていて、以前よりも増してフレーバーテキストは豊富になっています。

クスリと来るセリフ回しも健在で、相変わらずローカライズの質の高さが伺えます。

ストーリーが進捗すると、ストーリー上の出来事がアレックスの日記として手帳に記されていきます。
備忘録としての用途の他に、アレックスの心情が綴られているので本編の掘り下げとしても一役買っています。
本編の時系列にそって登場人物からメールが送られてきます。本編外でも様々なやり取りが見られるので必見です。
ゲームの冒頭では、アレックスのこれまでどんな生活を送っていたのかを垣間見ることが出来ます。
ヘイブンスプリングス限定のローカルなSNS(というより掲示板)が存在し、村の住人同士の交流を見ることが出来ます。
ネタ的な要素が強く、住人への愛着を沸かせてくれます。

良かった点

  • これぞライフ イズ ストレンジという雰囲気は健在
  • 次が気になるストーリー展開
  • ヘイブンスプリングスでの生活を満喫出来る

これぞライフ イズ ストレンジという雰囲気は健在

前述の通り、センスの良いBGM、セリフ回しは健在で、これぞライフ イズ ストレンジという雰囲気を大いに体感出来ました。

次が気になるストーリー展開

有りがちですが、チャプター終了時になって初めて次の展開が見えるような見せ方をしてくるので、ついつい先が見たくなってしまい、通しで一気にプレイしたくなります。

ヘイブン・スプリングスでの生活を満喫出来る

街に潜む陰謀に迫るパートよりも、ヘイブン・スプリングスでの生活面のイベントが充実している印象です。

主要キャラクターは魅力的でイベントを通して親交を深まっていくことが楽しかったです。

悪かった点

  • ご都合主義的な部分がある
  • 前作に比べてストーリーが短い
  • ストーリーに前作ほどの驚きがない

ご都合主義的な部分がある

アレックスの感情を読み取る能力ですが、強い感情に触れると感情に飲み込まれてしまい、感情が暴走してしまうというデメリットがあったはずなのですが、これがいつの間にか発症しなくなります。

また、突如相手の感情を取り除く能力が使えるようになったりと、特に本編中で説明されていないご都合主義的な部分があり、少し没入感を損なう要素かなと思います。

前作に比べてストーリーが短い

単純に前作(1作目)に比べてストーリーが短いです。

ストーリーに前作ほどの驚きがない

前作(1作目)に比べてストーリーの展開が弱いので、1作目のような展開を期待しない方が良いです。

1作目の主人公のマックスの能力が時間を巻き戻すという能力だったので、ストーリーを設計する上での相性が良いってのもあると思うので、これを超えるのは中々酷かなという気もします。

評価

評価は

シナリオ3.5驚きも用意されていて、終わり方も清々しく、個人的には楽しめましたが1作目と比べると薄味に感じました。
キャラクター4主要キャラクターは魅力的で、本編やフレーバーテキストを通して掘り下げもされており、情が沸きました。
クリエイティブ4特別繊細なグラフィックではないですが風景が美しいです。
キャラクターの表情が繊細で驚きました。
ユーザービリティ3可もなく不可もなく。
ボリューム2.5クリアに要した時間は15時間。1作目のボリュームと値段を考えると少し物足りないかもです。
音楽5感傷的なシーンをアコースティック調の音楽が優しく演出してくれています。
永延とこの空間に浸っていたい気持ちにさせてくれます。

ということで 3.5 です。

1作目と比べてしまうとストーリーに物足りなさを感じてしまうと思いますが、単体として見れば十分楽しめる出来だと思います。

ライフ イズ ストレンジシリーズの雰囲気は健在なので、その雰囲気に浸りたいという方には間違いなくおススメ出来ます。

ただ、ボリュームについては世間の評価で言われている通り短めで、値段を考えると少し物足りなさを感じるかもしれません。

この記事を執筆している時点ではマイクロソフトのGAME PASSで配信されているので、そちらを使えば格安でプレイが可能です。(割とすぐにクリア出来るので月を跨ぐ心配もないかと)

製品情報

ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ
発売日:2022年2月25日(金)
価格:7,480円(税込)
プラットフォーム:
PlayStation5 / PlayStation4 / Nintendo Switch /
Xbox Series X|S / Xbox One / Windows 10 / Steam
ジャンル:アドベンチャー
プレイ人数:1人
開発:Deck Nine Games
発売:スクウェア・エニックス
CERO:D(17才以上対象)
公式サイト

LIFE IS STRANGE (C) 2015-2022 Square Enix Ltd. All rights reserved.

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