こんにちは、ちくわぶです。
今回は驚愕のピクセルアートとサイバーパンク&侍という組み合わせが印象的なゲーム、「katana ZERO」をプレイした感想とゲーム内容について解説したいと思います。
前提
まず前提として、筆者のプレイ環境・状況は下記になります。
プラットフォーム | Steam |
プレイ時間 | 4.4時間 |
プレイ状況 | 本編クリア済み |
購入価格 | 912円 |
世間の評価
メタクリティックでの評価は以下の通りでした。
メタスコア | ユーザースコア | |
PC | 83 | 8.9 |
Nintendo Switch | 83 | 8.6 |
Xbox One | – | 8.4 |
メタスコア、ユーザースコアともに高得点で、アートワーク、音楽、シナリオを賞賛する声が多いです。
アクションについては賛否があるようです。
何度もトライアンドエラーを行い最良の方法を模索するのが楽しいと声がある一方で、
難易度が高く何度も繰り返すのが嫌とか、操作性にイライラするとか、単調という不満が見られました。
また、シナリオが未完なことと、ボリュームの少なさについて、ネガティブな意見が多く見られました。
概要
あらすじ
とある組織からの殺しなどの依頼を生業とする主人公。
彼は先の戦争中に負った頭部の重傷が原因で記憶を失い、代わりに時間の感覚をゆがめる特殊能力を得ていた。
刀一本で銃火器の相手を斬り捨てる様は、裏の世界ではドラゴンと呼称され恐れられていた。
そんな主人公だが、とある要人の救出ミッションに失敗してしまい、それを境に奇妙な悪夢を見始めることになる。
過去に自分に起きた出来事のようだが、これは一体何なのか?
どんなゲーム?
- 驚くほど細かく動くドット絵が凄い
- ノーミスで敵を殲滅出来るまでトライアンドエラーを繰り返すアクションゲーム
- シナリオが凝っていて、ボリューム的にもアドベンチャーゲームとしての要素も強い
特徴
驚愕のドット絵表現
ドット絵で描かれたキャラクターがとにかくメチャクチャ動きます。
このゲーム、ストーリーパートが多いのですが、その際のキャラクターの演技が特に凄いです。
あとは、キャラクターに光が照らされた際の色合いの表現にすごい凝っていて、サイバーパンクな世界観の雰囲気を演出するのに一役買っていると思います。
陰惨な表現が多め
陰惨な表現が多いです。
主人公の武器が刀なので、これで敵を斬りつけると大量の血しぶきが飛んで、辺りは血まみれになります。
あとは首がよく飛ぶのと、拷問シーンがあったり、撲殺シーンがあったりと、結構ショッキングな表現があります。
ドット絵なのに、これらも詳細に描かれているから凄い。
80年代サイバーパンクな世界観
80年代に描かれたサイバーパンク作品の雰囲気が色濃い世界観となっています。
主人公は刀を携え侍のような風貌をしていて、自宅には槍や兜、戦国武将の軍旗などが飾られていたりとカオスで、近未来的な雰囲気とのギャップが面白いです。
UIや演出では、ブラウン管テレビやビデオテープなどのアナログな表現が用いられていて、アナログな時代への並々ならぬこだわりが感じられます。
ステージの開始には、主人公がポータブルカセットプレイヤーを再生するような演出が入り、BGMとしてハウスミュージックが流れ、世界観ととてもマッチしています。
時間感覚をゆがめる能力を活用した刀アクション
主人公には少し先の未来が予知出来る能力があり、この能力があるために刀一つで大勢の銃火器を相手にするという芸当が可能という設定になっています。
ただ、この能力は設定上の話だけであり、残念ながらゲームプレイに有利に働くことはありません。
どういうことかというと、ミスをしても、それは予知の上での出来事であり、実際にはミスはしておらず、成功するまで予知を繰り返すということです。
なので、ゲームプレイ上は、ミスするたびにフロアの最初に戻され、成功するまでトライアンドエラーを繰り返すということに過ぎません。
主人公は敵の攻撃を受けると一撃で死んでしまうので、何度もトライアンドエラーを繰り返すことになります。
進行状況はフロア単位で保存され、トライアンドエラーはフロアごとで繰り返すことになります。
1フロアあたりの道のりは比較的短めなので、繰り返しがメチャクチャ苦になるということはないと思います。(場所によっては難易度が高くて辛いというのはあります。)
流れる時間を超スローにする能力
ここまでは、演出上だけの能力に過ぎませんが、実際のゲームプレイに活用出来る能力もあります。
それは、流れる時間を超スローにする能力です。
ボタンを押している間だけゲージを消費することで時間をスローにすることが可能で、ゲージが無くなるとスローが解除されます。
ゲージは時間経過で回復するので何度でも使用出来ます。
活用するケースとしては
- 非常にシビアなタイミングでの回避が求められるケース
- 高速で迫る敵の弾丸を刀で確実に弾き返したい場合
- 突然の敵の出現などで状況把握をしたい場合
などでしょうか。
刀アクション
主人公の武器は刀です。
刀による斬撃は一撃で敵を葬り去ります。(ボスは除く)
強力な斬撃ですが連射性能は低く、一度に大勢の敵を相手にしようとすると、倒しきれずにやられてしまいます。
なので、敵が少数になったところを叩くというのが基本になります。
投擲アクション
刀以外の攻撃アクションに投擲があります。
ミッションの道中、消耗品として投擲アイテムを拾うことがあります。
基本的には投げつけて遠方の敵を倒すことが出来ます。
投擲アイテムは1つまで所持しておくことが出来、入手したフロア内で使用することが出来ます。(次のフロアには引き継がれません。)
隙がなく投げられる上、射程範囲が長いので、複数の敵を相手にする場合や、銃を持った遠方の敵を倒すのに便利です。
また、投げつけて敵を倒すもの以外に、煙幕だったり、相手に付着するリモコン式の爆弾などもあります。
これらの投擲アイテムを活用しないとクリア出来ないフロアもあるので、多少頭を使うケースもあります。
ドッジロール
無敵時間を伴ったドッジロールを行うことが出来ます。
単純に敵の攻撃を回避するほか、素早く短い距離を移動出来るので、敵の背後を取ったり、トラップをすり抜けるのに活用出来ます。
ジャンプアクション
ジャンプ力はあまり高くないですが、ジャンプ中に斬撃を行うことで、入力した方向への飛距離が多少伸びます。
壁に向かってジャンプすると、壁にくっつき、さらにジャンプが出来る壁ジャンプが可能です。
壁ジャンプを使用する機会はそこそこありますが、シビアなジャンプアクションが求められることはありませんでした。
謎に包まれ先が気になるストーリー
ゲーム開始時点では、主人公は記憶喪失で過去については一切謎に包まれています。
とあるミッションをきっかけに過去に起きた出来事の夢を見るようになり、さらなるミッションを遂行していくうちに、自身の素性、ミッションに秘められた目的が徐々に明らかになっていきます。
豊富な選択肢
セリフの選択肢のバリエーションが豊富に用意されていて、話の本筋には影響しないものの、相手のリアクションの変化を楽しむことが出来ます。
ユニークなのが、相手のセリフの途中に割り込んで発言することが出来、この場合は通常の選択肢とはまた違ったリアクションを見ることが出来ます。
良かった点
- とにかくドット絵が凄い
- 先が気になるシナリオ
特徴に挙げている通り、ドット絵のクオリティが凄まじく、ドット絵キャラクターの演技に関心させられます。
シナリオも面白く、非常に先が気になる展開で、アクションパートが煩わしいとさえ感じてしまうくらいでした。
悪かった点
- ストレスが溜まるアクション
- 話が未完で終わってしまう
難易度は全体的に見れば凄い難しいってことはないと思うのですが、部分的に難易度の高い場所があります。
ここでは結構な回数やり直すことになったのっで、人によっては心が折れてしまうかもしれません。
また、やり直す際に、ビデオテープの巻き戻しのような演出が入るのですが、これがテンポを悪くしているので、多い回数のやり直しが必要な場所ではストレスに感じました。
良かった点で挙げている通りシナリオは面白いのですが、未完で終わってしまうので、そこは事前に注意が必要です。
ちなみに執筆時点では、続編は出ていません。
評価
評価は
シナリオ | 3.5 | 謎が徐々に解き明かされる展開で面白い。ただ、未完なのが残念。 |
キャラクター | 3.0 | 登場キャラは特徴的なものの、長尺で登場するキャラは少ないせいか、愛着が沸くまでには至りませんでした。 主人公も見た目こそ特徴的ですが、選択肢のとき以外は基本的にしゃべらないので薄味です。 |
クリエイティブ | 5.0 | ドット絵表現が凄まじいです。 サイバーパンクの世界観、アナログ表現へのこだわりも凄いです。 |
バトルの面白さ | 2.5 | 主人公が弱く、敵をバッサバッサと切り捨てるようなゲーム性ではなかったので、期待していたものとは違いました。 |
操作性 | 3.0 | 悪くはないのですが、難易度担保のためだと思いますが、ジャンプ力がないのと斬撃の連射性が低いので爽快ではないです。 |
ユーザビリティ | 3.0 | 可もなく不可もなく。 |
ボリューム | 2.0 | 本編は短いです。隠しボスや隠し武器取得などのやり込み要素は用意されていますが、シナリオが未完なのも相まってボリュームは少なく感じました。 |
音楽 | 3.5 | ハウスミュージックが多く、ゲームの雰囲気にマッチしています。 |
ということで 3.0 です。
パッと見の印象で、刀で敵をバッサバッサ斬り捨てる爽快アクションを期待していたのですが、
実際は隠密行動が求められるものだったので、アクションについてはコレジャナイ感を感じてしまいました。
一方、ピクセルアートについては期待以上の出来で、ドット絵キャラクターが織りなす物語は一見の価値があると思います。
シナリオも面白く、アクション要素が不要に感じてしまうくらい惹きこまれました。
ただ、話は未完で、これからというところで終わってしまうのが残念なところです。
タイトルに「ゼロ」とあるように、今作は序章のような位置付けだと思われるので、今後の展開が楽しみです。
Katana ZERO
発売日:2019年4月18日
価格:1,520円(税込)
プラットフォーム:
Nintendo Switch / Xbox One / Steam
ジャンル:アクション
プレイ人数:1人
開発:Askiisoft
発売:Devolver Digital
CERO:D(17歳以上対象)
Copyright 2019 Askiisoft. All Rights Reserved.
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