こんにちは、ちくわぶです。
今回は荒廃した現代風な世界観で、デッキ構築型のバトルシステムとスタイリッシュな雰囲気が特徴的なRPG、「ソウルヴァース」をプレイした感想とゲーム内容について解説したいと思います。
前提
まず前提として、筆者のプレイ環境・状況は下記になります。
プラットフォーム | Android |
プレイ時間 | 28時間 |
プレイ状況 | 本編クリア済み |
購入価格 | 610円 |
メインシナリオを進めながらサブクエストは粗方消化してのプレイ時間です。
クリア後に出現する裏ダンジョンなどのやり込み要素は未プレイなので、まだまだ遊べそうです。
世間の評価
それぞれのストアでのユーザーレビューの点数は以下の通りでした。
点数 | |
Google Play | 4.7 |
App Store | 4.6 |
どちらも高評価ですね。
ドット絵やスタイリッシュな雰囲気、デッキ構築型のバトルシステムを賞賛する声が多い印象です。
その反面、シナリオや世界設定の説明不足を不満点に挙げるユーザーが多そうです。
概要
あらすじ
魂という架空の概念をもデータ化することができるようになった現代のとある世界線
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ginolabo.soulvars&hl=ja&gl=JP
その代償に人は突如としてあらわれた異形たちによっていのちを脅かされていた。
主人公たちは、ソウルドライバーという魂をデータ化するデバイスで、
人を脅かす異形たちの排除を担い、とある街のシゴトにあたっていた…
特徴
- 戦略性の高いデッキ構築型のバトルシステム
- 奥深い育成要素
- 歯ごたえのある難易度
- SFCを彷彿とさせるドット絵
- ダークでスタイリッシュな雰囲気
戦略性の高いデッキ構築型のバトルシステム
バトルはターン制で、敵味方が素早さの順に行動します。(多少ランダムに素早さに補正が入ってそう)
バトルが始まると山札から手札として5枚のソウルビット(カードのことです)がロードされます。
キャラクターはAPというポイントの数だけソウルビットを選択して行動を行います。
APの初期値は1なので、基本的に1ターンに選択出来る手札は1枚ですが、以下の行動を取ることによって、翌ターンのAPを増やすことが出来ます。
- 敵の弱点属性を突いた攻撃をする
- クリティカルが発動したとき
- 敵をブレイクする
- 敵にとどめを刺す
- 敵にデバフを発動する
- ガード、アクセル(回避)で攻撃を防ぐ
- 味方にバフを発動する
ただし、1ターン内で各手段で増やせるAPは1までとなります。
(例:2枚のソウルビットを選択し、弱点を突いた攻撃を2回行っても、増えるAPは1)
APを増やす手段は様々ですが、弱点を突くのが主体となるので、オクトパストラベラーや女神転生のプレスターンバトルのような感覚です。
APを増やして1ターンに複数枚の手札が選択出来るようになったら、特定の手札を組み合わせることでアーツというスキルを発動することが出来ます。
このアーツをいかに効果的に発動していけるかが攻略の鍵になります。
行動を終えて次のターンに入ると、消費した分だけソウルビットがロードされます。
山札のソウルビットが無くなり、手札にロード出来るものが無い場合、残りHPの25%(難易度によって異なる)を消費して、山札を初期の状態にリロードすることが出来ます。
ソウルビット(カード)の種類
ソウルビットには以下の種類があります。
アイコン | 説明 |
物理攻撃。斬撃/打撃/刺突/射撃の4属性がある。 基本的にATKとSPDのステータスが威力に影響する。射撃のみTECが威力に影響する。 | |
属性攻撃。炎/氷/電気/風/大地の5属性がある。 PSYと各属性のステータスが威力に影響する。 | |
自身を攻撃から守る防御系のソウルビット。 ガードは一度だけ攻撃を軽減、アクセスは一度だけ攻撃を回避するが、DEFのステータスが下がってしまう。 | |
自身の能力を高めるバフ効果を発動するソウルビット。 ATK、DEF、PSY、TEC、SPDのいずれか、もしくは複数のステータスをアップする。 | |
回復。SPを消費して味方のHPを回復する。 |
また、攻撃系のソウルビットにはさらに4種類のタイプが存在します。
アイコン | 説明 |
ノーマル。 威力は普通でバースト効果も普通。 | |
クイック。 威力は小さいが、バースト効果が大きい。 | |
ヘビィ。 威力は大きいが、バースト効果が無い。 | |
ダーティ。 威力、バースト効果は小さいがデバフ効果がある。 |
デッキの作り方
ギア(装備)にはソウルビットが宿っており、デッキに組み込まれるソウルビットの種類は装備で決まります。
また、ギアにはスロットが空いているものがあるので、そこにモジュールを装着することで任意のソウルビットを宿すことが出来ます。
ただし、モジュールは一度装着してしまうと、専用アイテムを使用しないと取り外すことが出来ず、また、取り外したモジュールは消失してしまうので、気軽に着脱出来ない仕様となっています。
バースト
敵にはバーストレートという数値が存在し、バースト効果のある攻撃をすることによって、このバーストレートを上げることが出来ます。
バーストレートが100%に到達すると敵がバースト状態となり、相手が行動する前にバーストすることが出来れば、そのターンの攻撃を解除することが出来ます。
また、バーストした後から次のターンまでの間、与えられるダメージがアップするので、強力なアーツを固め打ち出来れば大ダメージを稼ぐことが出来ます。
戦闘中のアイテムの使用
キャラクターの行動とは別に、ターンの開始前にアイテムを使用することが出来ます。
アイテムの主な使用用途は下記になります。
- HP/SPの回復
- バッドステータスの解消
- ソウルビットのロード
ただし、戦闘中のアイテムの使用回数には上限があり、装備しているギアに応じてその回数が変わります。
アビリティ
アイテムと同様、キャラクターの行動とは別に、ターンの開始前にアビリティを使用することが出来ます。
SPを消費してソウルビットをロードしたり、特定のソウルビットを別のものに変化させたり出来ます。
奥深い育成要素
ソウルドライバーとのシンクロ
キャラクターにはレベルの概念が存在しません。
その代わり、ソウルドライバーとのシンクロ率を高めることでステータスを成長させることが出来ます。
ソウルドライバーとはギアとは異なる装備品です。
ドラクエで言う職業みたいなもので、ソウルドライバーによってステータスの上昇の違いや、獲得出来るシンクロボーナスが異なり、様々なタイプがあります。
ソウルドライバーを装備した状態で戦闘を重ねることでシンクロ率が上昇していき、シンクロ率に比例してステータスが上昇していきます。
また、シンクロ率にはいくつかの閾値が設けられており、それを超えるたびにボーナスが獲得出来ます。(ボーナス獲得にはソウルフラグメントというポイントを消費します。)
ボーナスには
- キャラクター自体のステータスアップ
- アーツの習得
- アビリティの習得
などがあります。
ボーナスは他のソウルドライバーを装備していても発動するものなので、様々なソウルドライバーとのシンクロ率を高めることで、キャラクターは強化されていくことになります。
ただし、シンクロ率はソウルドライバーごとに独立したものなので、ある程度シンクロ率を高めたソウルドライバーから、全くシンクロしていないソウルドライバーに付け替える場合は、ガクッとステータスが落ちるため、複数のソウルドライバーのシンクロ率を高めるのは骨が折れます。
アーツの習得・強化
アーツにはレベルがあり、使用回数に応じてレベルアップしていき、効果が上昇します。
レベル4になったアーツはアビリティに変換することが出来ます。
そのアビリティを装着することで、アーツをソウルビット(カード)としてデッキに組み込むことが出来ます。
ソウルビットの組み合わせで発動する場合と比べて、任意のタイミングでアーツを使用しやすいという利点があります。
ただし、アビリティ化したアーツは、ソウルビットの組み合わせでは発動出来なくなります。
歯ごたえのある難易度
難易度はイージー・ノーマル・ハードの3段階が用意されています。
筆者はノーマルでプレイしましたが、そこまでゲームオーバーになることはないものの、ボス戦では毎度苦戦を強いられる難易度でした。
デッキには様々な弱点に対応出来るように色んな属性のソウルビットをバランスよく入れていたため、あまりデッキの組み換えを余儀なくされるようなケースはありませんでした。
SFCを彷彿とさせるドット絵
スーパーファミコンを彷彿とさせるドット絵で描かれています。
戦闘のアクションでは、ドット絵のキャラクターが派手なエフェクトとともによく動くのが特徴的です。
ダークでスタイリッシュな雰囲気
フィールドやキャラクターなど、全体的にダークな色使いがされていて、常に暗い雰囲気が描かれています。
シナリオ面でもおちゃらけ要素は一切なく、パーティーの団欒などでほっこりする隙間もないので、こちらもダークな雰囲気で一貫しています。
場面転換などの演出が印象的で、ペルソナを彷彿とするようなスタイリッシュさがあります。
良かった点
- バトルが面白い
- 片手でプレイ出来る
バトルが面白い
本作の一番の魅力はこれだと思います。
前述の通り、いかにAPを稼いでアーツを発動するかが攻略の鍵となるバトルシステムなので、戦略を考えるのが楽しいです。
演出面でもこちらの攻撃のテンポの良さ、アーツ発動時のキャラクターの動き、派手なエフェクトが相まって、とても爽快です。
また、歯ごたえのある難易度のため、攻略時の喜びもひとしおです。
片手でプレイ出来る
縦持ちプレイを前提に設計されていて片手でプレイ出来ます。
電車通勤などの際に手軽にプレイしやすいので、これはとても嬉しかったです。
また、そういう用途を見越してか、どこでもセーブ出来るのも嬉しいポイントです。
悪かった点
- ストーリーに入り込めなかった
- 文字が見辛い
- エリアマップの全貌が把握し辛い
- オーソドックスなデッキ・育成になりがち
ストーリーに入り込めなかった
世間の評価で言われている通り、キャラクターの設定・舞台設定についてゲーム中で語られることがあまりないので、ちょっと置いてきぼりをされた状態でストーリーが進行する感覚でした。
文字が見辛い
縦持ちプレイの代償として、そもそも文字が小さいのに加え、
SFCを意識したアンチエイリアスのないフォントで漢字が使用されていないので、正直文字は見辛かったです。
エリアマップの全貌が把握し辛い
縦持ちプレイを前提とした設計のため、
エリアマップはすごろくのマスのような形で構成されており、移動先のマスをタップすることで移動するようなスタイルになっています。
現在地の周辺のマスは表示されていますが、全体マップが用意されておらず、全貌が把握し辛いです。
そのため、未探索のマスは接近するまで把握出来ないので、探索には少し骨が折れました。
オーソドックスなデッキ・育成になりがち
育成や装備によって幅広い戦略を取ることが可能な本作ですが、以下のようにそれぞれのハードルが高く感じたので、終盤まではオーソドックスなデッキ。育成方針になりがちなんじゃないかと感じました。
- 新たなソウルドライバーとのシンクロを成長させようとした場合、戦力が格段に落ちるのと、自身より強い敵を倒してもシンクロ率の上昇にそこまで補正がかからないので育成に時間がかかります。なので、終盤までは一つのソウルドライバーを上限までシンクロさせようという感じになると思います。
- ソウルビットのモジュールは、物によっては手軽に入手出来ないのと、一度ギアのスロットに埋め込んでしまうと他のギアに着けなおすことが出来ないため、資金とモジュールの入手元が充実する終盤まで、自由にデッキを組み替えるハードルが高く感じました。
なので、デッキ構築、育成要素はエンドコンテンツとしての意味合いが強いのかなと。
評価
評価は…
シナリオ | 3.0 | 恐らく設定は色々と練られている感はあるのですが、ゲーム中ではほとんど語られていないのが惜しいところです。 |
キャラクター | 3.0 | シナリオと同じく、ゲーム中で深掘りされることがほとんどないので、一定の愛着は沸くものの、好感を抱くまでの印象には至りませんでした。 |
クリエイティブ | 4.0 | 戦闘のエフェクトが派手でキャラクターもよく動くので、バトルの見た目は華があってとても良かったです。 |
探索の面白さ | 3.5 | 店売り品より強力な武器やアーツがトレジャーとしてマップに設置されているので、常に探索意欲は持てました。 |
バトルの面白さ | 5.0 | バトルシステムは斬新で良く出来ていますし、やりごたえのある難易度で面白いです。爽快感もあります。 |
ユーザビリティ | 3.0 | 複雑なシステムで要素が多い割に、UIにそこまで使い辛さを感じませんでした。ヘルプも充実しています。ただ、文字が見辛い、マップの全体が分かりづらいなどの不満点もありました。 |
ボリューム | 5.0 | サブクエを消化しながらクリアするだけで30時間弱。まだまだやり込み要素も残っているので値段からしたらモリモリのボリュームです。 |
音楽 | 4.0 | 世界観にマッチしています。ボスとの戦闘曲もテンション高めで良い感じですが、曲がループする際のつなぎ目が無音になるのが、ん?という感じでした。 |
ということで 4.0 です!
全体的に完成度が高く、とにかくバトルが面白いです。
これをほぼ一人で制作されたという話を聞くと、その才能と労力にただただ頭が下がります。
値段もとてもお手頃で、スマホで手軽にプレイ出来るので、世界観とバトルシステムに興味がある人には是非ともおススメしたい一本となります。
本記事の執筆時点ではスマートフォンのみの提供となっていますが、PC/コンソール版の開発が発表されているので、主にPC/コンソールでゲームプレイされる方も要チェックです。
SOULVARS(ソウルヴァース)
発売日:2022年1月8日(土)
価格:610円
ジャンル:RPG
プレイ人数:1人
プラットフォーム:iOS / Android
CERO:B(12才以上対象)
販売元:ginolabo
© 2022 ginolabo
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