ポケモンがアクションRPGになった!「ポケモンレジェンズアルセウス」をレビュー

3.0
「ポケモンレジェンズアルセウス」をレビュー(評価:3.0) レビュー

こんにちは、ちくわぶです。

1/28に発売されたポケモンシリーズ最新作の「ポケモンレジェンズアルセウス」、なんと今作はアクションRPGということで話題を集めていたので、普段ポケモンに興味がない筆者も思わずプレイしちゃいました。

プレイした感想と、ゲーム内容について解説していきたいと思います。

前提

まず前提として、筆者のプレイ環境・状況は下記になります。

プラットフォームNintendo Switch
プレイ時間30時間
プレイ状況本編クリア済み(裏ボスまで討伐)
購入価格6,240円

筆者はあまりポケモンをシリーズ通してプレイしておらず、直近でプレイしたポケモンは「アルファサファイア」で、ちゃんとクリアしたポケモンに至っては「金・銀」以来(古い…。)と、最近のポケモンについてはド素人であります。

世間の評価

メタクリティックでのメタスコアは83、現時点のユーザースコアは8.3と、評判は上々で過去のポケモンシリーズと比べても評価が高い部類となっています。

Amazonでの評価もとても良く、現時点での日本版のレビューは1754件の評価で4.5という高評価になっています。

概要

冒頭のストーリー

暗闇に浮かぶ光の方から声が聞こえる。

声の主はアルセウスと名乗り、全てのポケモンと出会えば再び姿を現すと主人公に語りかける。

アルセウスは主人公にスマートフォンのようなものを託すと、辺りは光に包まれ主人公の意識は遠のいていく。

主人公が次に意識を取り戻すと、そこは始まりの浜と呼ばれる場所だった。

そこでは3匹のポケモンと、それを追ってきたポケモン博士のラベンと出会う。
ラベンが言うには、主人公は空から降ってきたらしい。

モンスターボールが上手く扱えないラベンに代わり、主人公が3匹のポケモンを捕獲することに。

ポケモンを捕獲に向かう道中、先にアルセウスから託されたスマートフォンを拾う。

スマートフォンの画面にはアルセウスからと思われるメッセージが映し出されていた。

「すべてのポケモンとであえ」と。

主人公が難なくポケモンの捕獲を済ませると、その腕を見込んだラベンからポケモン研究への協力を頼まれる。

ここがどこかも分からず行くあてのない主人公は、アルセウスからの使命だけを頼りにこの申し入れを受けることにした。

ポケモン研究への協力、それはラベンが所属するギンガ団への入団を意味していた。

そして、ギンガ団本部のあるコトブキムラに到着。

そこでは調査隊隊員のショウと、隊長のシマボシと出会う。

調査隊に入隊し研究に協力する代わりに、衣食住を提供してもらうことへの承諾は得たものの、入隊には試験を課すという。

翌日、シマボシより試験の内容を言い渡される。

試験はビッパ、ムックル、コリンクの3種類のポケモンを捕獲すること。

ラベンからお供のポケモンを連れていくように促され、始まりの浜で捕まえた3匹のポケモンから選ぶことに。

ここから主人公の冒険が始まる。

どんなゲーム?

  • 一人用のポケモン
  • バトルはほぼ従来のポケモン
  • フィールドの探索、ポケモンの捕獲、ボス戦がアクションゲームになった
  • ボス戦はカジュアルな難易度

特徴

ポケモンがどうアクションRPGになったのか?

今作ではフィールド上にいるポケモンに直接モンスターボールを投げつけることが出来るので、戦闘を行うことなくポケモンを捕獲することが出来ます。

ポケモンの背後からモンスターボールを当てることが出来ると、意表を突くことが出来、捕獲率が上がります。

ZRトリガーを押し続けることで照準を合わせ、ZRトリガーを離すと照準に向かってモンスターボールを投げます。

草むらに隠れることでこちらの存在に気づかれることなくポケモンに近づくことが出来ます。

その他にも、木の実でポケモンの気を引いたり、めかくしだまで煙幕を張ったりなど、ポケモンの不意を突くための手段があります。

強引に裏回る方法もあるが、こちらの存在に気づかれた状態だと背後を取るのは難しい。

ポケモンボールを投げつけてポケモンバトルを仕掛ける

ポケモンの入ったボール(通称ポケモンボール)を投げつけることで、ポケモンにバトルを仕掛けることが出来ます。

この場合も背後からボールぶつけると不意を突くことが出来、数ターンの間相手は行動を封じることが出来るので、戦闘が有利になります。

また、従来のポケモンと同様に戦闘中にモンスターボールを投げて捕獲することも出来ます。

ポケモンボールを投げつけるとシームレスにポケモンバトルに移行する。

気性の荒いポケモンは襲い掛かってくる

ポケモンには気性の荒いものがいて、こちらに気づくと襲い掛かってきます。Yボタンで回避行動が取れるので、際どいタイミングの攻撃を避けるのに役立ちます。

回避行動は無敵時間があり優秀なので、割と簡単に攻撃は避けられる。

「キング」「クイーン」戦

強力な力を持った「キング」「クイーン」と呼ばれるポケモンが存在し、それらは何らかの力により暴走状態にあるため、これを鎮めるバトルがストーリー中で発生することがあります。

何らかの力で暴走し光を放つ森キングことバサギリ

キング・クイーン戦はTPSとポケモンバトルを組み合わせたゲーム性となっています。

普段のバトルと異なり、シズメダマを当てて相手のあらぶりゲージを0にすることで戦闘に勝利することが出来ます。

回避行動を使って相手の攻撃を避け続けていると相手に隙が生じることがあり、このときにポケモンボールを当てることでポケモンバトルを仕掛けることが出来ます。

このポケモンバトルに勝利出来れば相手は無防備となり、シズメダマの効果が増加するので好機を作ることが出来ます。

ポケモンバトルは従来のようなターン制コマンドバトル

ポケモンバトルはほぼ従来通りのターン制コマンドバトルとなっていますが、多少新要素があります。それは、行動順が表示されていることです。

戦闘画面の右側に行動順が表示されます。相手よりもすばやさが大幅に高い場合、連続して行動出来たりします。

行動順と「早業」と「力業」

ポケモン自体のすばやさと、わざに設定されている行動速度の補正により行動順が決定します。行動速度にアドバンテージがあると、場合によっては2回続けて行動が可能となり、戦闘を有利に運ぶことが出来ます。

また、今回はわざに「皆伝」という概念があり、ポケモンのレベルアップや特殊アイテムで皆伝を行うと、そのわざについて「早業」「力業」に切り替えて使用することが出来ます。

早業はわざの威力は下がるが次の行動順が早くなり、力業は逆にわざの威力は上がるが次の行動順が遅くなります。

早業、力業を使用するとポケモンドアップのカットインが入ります。

1対多のシチュエーション

多数の野生ポケモンに囲まれている状態でバトルに突入した場合や、特定のトレーナーとのバトルでは1体のポケモンで多数のポケモンを同時に相手する状況が発生します。

1対多のシチュエーションは絶対的に不利なので、野生ポケモン相手には避けたほうが無難です。

1対多のシチュエーションだとこちらが一度行動する間に袋叩きにあうので回避したほうが無難。

図鑑タスクをこなしてポケモン図鑑の完成を目指す

ポケモン図鑑にはポケモンごとに図鑑タスクが複数用意されており、これを消化することにより各ポケモンの研究レベルが上がります。研修レベルを10まで上げるとそのポケモンの図鑑が完成します。

図鑑タスクの消化、研究レベルアップなどで研究ポイントが溜まり、一定量溜まるごとに団員レベルが上がります。団員レベルが上がるとエリアの開放、手なずけられるポケモンレベルの上昇、新しいアイテムのアンロックなどの恩恵があります。

ポケモンごとに設定されているタスクが異なるのでタスクの難易度に差があります。

オープンなフィールドと探索要素

本作は完全なオープンワールドではなく、エリアごとにオープンなフィールドが用意されている形です。そしてそのエリアもそこまで広大ではありません。なので、オープンワールドゲームを期待してはいけません

ハードのスペックによるところが大きいのかもですが、他のオープンワールドに比べてグラフィックの面でもちょっと残念な感じかも。

便利な移動手段「ポケモンライド」

フィールド内の移動は拠点へのファストトラベルの他、シナリオが進行すると様々なポケモンに乗って陸・水・空を移動することが出来るようになります。

通常の徒歩の移動からワンボタンでシームレスに切り替えが可能なので快適です。ただし、ライド出来る種類が増えてくると切り替えに難が出てきます…。

ワンボタンで即座にポケモンライドが可能。

色んな場所でポケモン探し

フィールド内の各エリアで生息しているポケモンが違うので、探索して新たなポケモンと遭遇するのが楽しいです。

また、特定の場所には「オヤブン」という通常サイズよりも大型なポケモンがいます。

オヤブンはレベルが高く特殊なわざも習得しているため、仲間に出来れば即戦力となりますが、序盤のうちは遭遇したら命の危機を感じることでしょう。

ただし、レベル差が結構あっても弱点をつけば倒せない相手ではなかったりするので、レベル上げの観点からすればオヤブンを倒すのは効率が良いです。

オヤブンはこちらよりレベルが大幅に高いことが多く脅威。目が赤く巨大なので威圧感もスゴい。

時折、ポケモンの大量発生が報告されることがあり、現地に赴くと同種のポケモンが多く発生しているポイントがあります。(大量発生という字面ほどのものではなかったですが…)

大量発生したポケモンの中には色違いのポケモンが現れることがあるようなので、色違いポケモンを集める場合には重要な要素となっていそうです。(筆者は色違いポケモン探すことをしませんでしたので、結局遭遇出来ませんでした。)

大群を想像していたのでちょっと物足りない絵面でした。

クラフト素材を現地調達し自給自足

ポケモンではお馴染みの「モンスターボール」や「きずぐすり」、「めかくしだま」などのステルスに役立つアイテムなど、レシピと素材さえあればどこでもクラフトすることが出来ます。

アイテムはムラやベースキャンプで購入することが出来ますが、フィールド上で入手出来る植物や鉱石を素材にクラフトすることが出来るので、現地での自給自足が可能です。

手軽に素材が手に入るものは店で買うためのお金を稼ぐよりも効率が良い。

時折発生する「時空の歪み」でレアポケモンゲット?

フィールド中には時折「時空の歪み」という空間が発生することがあります。

この空間の中では通常では発見出来ないレアなポケモンが出現したり、ここでしか手に入らないアイテムが落ちていたりします。

時空の歪みは発生のポイントと予兆が事前に分かるので、ついつい本来の目的を置いて優先したくなっちゃいます。

普段見かけないポケモンが沢山出現するので、「時空の歪み」が発生した際には優先して探索しておきたい。

他プレイヤーとの対戦要素は無し

本作は完全に一人用のポケモンとなっており、他のプレイヤーとの対戦要素はありません。

ただし、通信交換は可能で、ローカル通信、もしくはオンラインでフレンドや知らない相手とポケモンを交換することが出来ます。(オンラインの通信交換にはNintendo Switch Onlineヘの加入が必要)

良かった点

  • さくさく捕獲出来る
  • 技の取捨選択がいつでも出来る
  • ポケモンライドがシームレスで快適
  • 新たなポケモンを探索するのが楽しい

さくさく捕獲出来る

アクションRPGになったことで戦闘せずとも捕獲が可能になったので、特に性能の良いモンスターボールを入手してからはさくさく捕獲が出来るようになります。

技の取捨選択がいつでも出来る

従来のポケモンでは覚えられるわざの枠が4つまでで、枠が埋まっている状態で新たなわざを覚えた場合は忘れるわざを選択する必要がありましたが、今作では一度覚えたわざはいつでも覚えなおすことが可能です。状況に応じて使用出来るわざを変更出来るので便利ですし、貧乏性の自分としては気持ちの面で嬉しい仕様となっています。

技の取捨選択に葛藤していた思い出が強いので、この仕様はメチャクチャ嬉しかったです。

ポケモンライドがシームレスで快適

移動に便利なポケモンライドですが、乗り降りが即座に行われシームレスなのでとても快適です。ただし、ライド出来るポケモンの種類が増えると切り替えが煩雑になり、快適さが損なわれてしまうのが惜しいところです。

新たなポケモンを探索するのが楽しい

新たな場所に行けば新たなポケモンとの出会いがあるので探索が楽しいです。そこがキモのゲームだという割り切りだと思いますが、それ以外の探索の要素は薄いです。

レアなポケモンに遭遇するとテンション上がります。そこまでピカチュー好きでもないんですけど、発見したときはやっぱり嬉しかったです。

悪かった点

  • ストーリーが退屈
  • 戦略不要な難易度
  • キング・クイーン戦のアクション要素が微妙
  • サブクエスト報酬の旨味が少ない
  • 対戦出来ない

ストーリーが退屈

元々ポケモンのストーリーが特に面白いということはなかったので期待はしていなかったのですが、予想通りの感じで擦れたおじさんには退屈な内容でした。

ネタバレになるので詳細には触れられませんが、終盤の展開に納得がいかず苛立ちを感じてしまい、そこが特にマイナスだと感じてしまいました。(ここまで感情が揺さぶられるのも珍しいので、ある意味感情移入しているとも言えるのですが…)

戦略不要な難易度

従来のポケモンも基本的には弱点を突く戦法を取っていればメインストーリーをクリア出来る難易度設計でしたが、今作も同様で、バランス良く属性を揃えておけば裏ボスまで特に対策を立てることなくクリアすることが出来ました。

従来は他プレイヤーとの対戦が主だったので気にしてませんでしたが、今作は一人用なので物足りなさは感じてしまいました。

キング・クイーン戦のアクション要素が微妙

キング・クイーン戦は期待していた一番のアクション要素ですが、残念ながらあまり面白くなかったです。

TPSなのですがシズメダマという玉を手投げするという仕様上、攻撃(玉を投げる)の連射が効かないのと、弾道が短いためアクションの爽快感がありませんでした。

また、敵の攻撃は予備動作が大きく見切りやすいので、ゲームオーバーの緊張感を感じることもなく最後までクリア出来てしまったので、難易度についても物足りなさを感じました。

サブクエスト報酬の旨味が少ない

一部のサブクエストは報酬としてクラフトのレシピがもらえたり、店のラインナップが増えたりするものがありますが、基本的には探索で入手出来るようなアイテムしかもらえないので、労力を要すサブクエストをクリアするモチベーションが沸きませんでした。

対戦出来ない

一人用の本編が戦略性を必要としない設計なので、あまり戦略を練ったポケモン育成をする必要がなく、対戦が出来ないのはやはり物足りないと感じました。

評価

評価は

シナリオ2上述の通り、退屈なだけなら良かったのですが、個人的に不快に感じる展開があったので低評価とさせていただきました。
キャラクター3登場人物は個性的ではあるのですが、正直あまり魅力を感じませんでした。(むしろ苦手なノリでした…)ポケモンは可愛いです。
クリエイティブ3可もなく不可もなくという感じです。
探索の面白さ3.5上述の通りポケモンを探索するのは楽しいです。ただし、それ以外の探索要素は薄いです。
バトルの面白さ2.5戦略性を必要としないので物足りなさを感じました。バトルでのアクション要素も微妙です。
操作性3ポケモンライドは良かったんですが、後半に煩雑さが出てきてしまったのでプラマイゼロという感じです。
ユーザビリティ3.5覚えるわざの付け替えが自由に出来るのはとても良かったです。
ボリューム3.5ポケモン図鑑を完成させる場合は結構な時間を要すのではないかと思います。色違いポケモンを集めるというやり込み要素もあります。
音楽3.5随所に和のテイストが効いていて世界観にマッチしていました。戦闘曲は耳に残ります。

ということで 3.0 です。

上述の世間の高評価とは温度差を感じる結果となりました。

ポケモン探索にフィールドを駆けるのはそれなりに楽しいのですが、ポケモンバトルやアクション要素に物足りなさを感じる内容でした。なので、ポケモンを集めるのが好きな方は楽しめる内容なのかなと思います。

ポケモン初のアクションRPGということで普段ポケモンをしない筆者も釣られてしまいましたが、そこまでポケモン好きでもない人におススメ出来るゲームではないかなという印象です。

とはいえ、良い要素はありますし、今後の展開に期待が持てる内容ではあったので、続編が出るようであれば注目したいと思います。

こんな人におススメ

  • ポケモンが好きな方
  • 収集要素が好きな方
隠しボス討伐時のスタメンで記念撮影。
製品情報

Pokémon LEGENDS アルセウス
発売日:2022年1月28日
価格:6,578円(税込)
プラットフォーム:Nintendo Switch
ジャンル:アクションRPG
プレイ人数:1人
制作:株式会社ゲームフリーク
販売:任天堂株式会社
発売:株式会社ポケモン
CERO:A
公式サイト

©2022 Pokémon. ©1995-2022 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.

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